愛媛県松山市道後地区の秋祭りに密着したドキュメンタリー映画「渦」が、ブラジル・ベロオリゾンテ市で8月に開かれた「ベロオリゾンテ国際短編映画祭」国際コンペティション部門で審査員特別賞を受賞した。
 同作は、秋祭りの「けんか神輿(みこし)」に関心を抱いた辻本好二プロデューサーが企画し、フランス人監督ガスパール・クエンツが製作。2014年の秋祭りを、みこしやかき手の頭に取り付けた小型カメラなどで追い、鉢合わせの緊張感や力強さ、神事としての荘厳さを描き出した。
 15年9月の県内上映後、スイスやポルトガル、カナダなど各国の映画祭に出品。受賞は今回が初めて。
 ベロオリゾンテ国際短編映画祭は18回目を迎える南米最大の短編映画祭で、毎年世界各地から2000以上の映画がエントリーされている。審査員特別賞は、グランプリに次ぐ上位賞。
 辻本プロデューサーは「どう受け入れられるか分からなかったが、海外で大盛況。映像の迫力に加え、おとなしい日本人のイメージが覆され驚いているようだ」と各国での反応を語る。他の国際映画祭からの招待も複数受けており、出品を継続。17年には国内でも上映する予定だ。